世界の子どもを児童労働から守るNGO ACE(エース)

08/26 【現地レポート】インド・コットン畑での児童労働の現状(2009年)

ACE代表の岩附とスタッフの成田は、2009年8月17日からインド南部のアンドラプラデシュ州で現地調査を行っています。2010年に開始予定のコットン畑で働く子どもたちが学校に行けるように支援するプロジェクトの立ち上げ準備が目的です。

コットン畑での児童労働の現状

手作業でひとつひとつ受粉させるため手間がかかります
ひとつひとつ手で受粉

コットン畑には、2種類あります。コットンを作ることが目的の畑と、コットンの種を作ることが目的の畑です。このコットンの種を作ることが目的の畑で、40万人以上の子どもたちが働いており、その中でも女の子が多いとの調査結果があります。ACEは、アンドラプラデシュ州の中でもコットン種子生産が多いマハブブナガル県の村をプロジェクト対象地としました。

コットンの種を作るためには、7月から9月にかけて毎日集中的に手作業で受粉をさせる必要があります。この労働の需要が高く、農家は親に高額な前金を払って、子どもの2~3ヶ月間の労働を確約させます。また、日々60ルピー程度(約120円=マクドナルドのハンバーガー1個分)の日給も払います。女の子が好まれるのは、口答えしないで働くからです。

女の子がコットン畑で働く理由(ラクシュミちゃん(仮名):13歳)

子どもを供給する家庭にも様々な理由があります。私たちがインタビューしたラクシュミちゃんは、お父さんが働いておらず、お母さんも週に数日しか仕事がないため、日々の生活を支えるため、ラクシュミちゃんと妹はそれぞれ別のコットン畑で働いています。

「学校に行きたい」と2人とも言っていました。
「私も学校に行きたい」

ラクシュミちゃんはいま13歳で、学校には8日間しか行ったことがありません。でも、6歳の弟は学校に行っています。女の子は高い教育を受けると結婚するときの持参金が高くなり、払えなくなることを心配したお母さんが女の子2人を学校に行かせませんでした。教育より先にまず食べてかなくてはならないからです。そのお母さんも、一度も学校に行ったことがありません。

コットン畑では大量の農薬を使うため、子どもたちの健康への影響も心配です。コットン畑で働いている女の子で2人、病院で輸血を受けたり、皮膚病にかかっていたり、明らかに健康を害している子どもがいました。それでも、その子どもたちは働き続けているのです。「なぜ病気になったかわかりますか?」と聞いたところ、「わからない」、という答えが返ってきました。


熱気にあふれた意見交換

村の人の話を聞く成田、岩附
村の人の話を聞く成田、岩附

ACEはこの村で、2010年から現地のNGO、SPEEDと共にプロジェクトを始めます。プロジェクト対象地で村の人たちと話をし、現状を確認し、SPEEDのスタッフとプロジェクトの内容について話し合いました。

村に入り、まず村の村長さんや女性グループ、若者たちとミーティングを行いました。女性からは「女の子が教育を受けても良い仕事につけないから意味がない。それより生活出来るようなスキルを身に付けさせてほしい」という声が出たり、若者たちからは「自分たちも何かしたい」という申し出などがありました。村議会が行われた部屋には、50人ぐらいがぎゅうぎゅう詰めで座りながら意見交換をしました。

村人から出た意見を受け、ACEはSPEEDと協力して、一度も学校に行ったことがない子が政府の学校に編入できるようにするブリッジ・スクールの運営や、そこでの給食と栄養補給を行い、子どもたちをコットン畑から引き離して、健康を守り、教育の機会を提供するプロジェクトを行ないます。また、女の子だからこそ直面する問題に対処できるよう、トレーニングを実施して、村の人へ子どもへの教育の重要性をトレーニングするとともに、村全体が児童労働ゼロを目指す持続可能な仕組みを作っていきます。

この「コットンのやさしい気持ち」プロジェクトの新しい取り組みを知っていただくため、現地調査報告会を11月3日(祝・火)に行ないます。ぜひご参加下さい!

報告:成田由香子 岩附由香
2009年8月24日
インド・アンドラプラデシュ州より

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現地の活動内容・調査報告(現地レポート)

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